残暑厳しい愛媛県大洲市で、秋祭り用のちょうちん作りが静かに進んでいる。南予でただ1軒、手作りの伝統を守る「平地屋(ひらぢや)傘提灯(ちょうちん)店」(同市大洲)では27日、7代目梶尾盛俊さん(67)が黙々と作業を続けていた。10月末までに約50個を仕上げる予定。
 東京で会社員をしていた梶尾さんは定年退職後に帰郷。えひめ伝統工芸士で6代目の父善作さん(2011年死去、享年95歳)の指導を受け、10年に跡を継いだ。
 妻薫さん(60)との共同作業で、型枠に竹ひごを巻き大洲和紙を張った後、代々受け継ぐ字体の型紙を使い文字を入れる。防水用のエゴマ油を塗り、3日間天日干しして完成する。